在外研究3——フラット探し

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以下の内容は、あくまで私がブライトンで経験したフラット探しのことです。同じイギリスでも地域によって事情が異なる可能性がありますので、御了承ください。余計なこともいっぱい書いているので、重要なところは太字にしてあります。

受入先のSussex大学は、客員研究員(Visiting Research Fellow)に対して住居を提供しないのはもちろん、情報提供も含めて何の支援もしてくれないと聞いていたので(自分で確かめたわけではありません)、フラット探しはすべて自分でしなければいけませんでした。

日本にいるうちに情報収集や内覧の予約などはできると思いますが、僕の場合は日本の出発直前まで公私とも多忙で余裕がなかったので、ブライトンの仮滞在先に着いてから情報収集も含めてフラット探しを開始しました。

ブライトンを歩き回って不動産会社の店頭に掲示されている情報なども確認しましたが、基本的には賃貸物件の取りまとめているサイトで条件に合う物件を探して一つずつ内覧の予約を入れていくというかたちでフラット探しを始めました。賃貸物件を取りまとめているサイトで代表的な二つはRightmoveZooplaですが、私にとってはRightmoveの方が使いやすかったのでRightmoveで情報収集しましたが、掲載されている物件はほぼ変わらないと思います。

内覧の予約はサイトのフォームから問い合わせることもできますが、電話をかけるのが一番手っ取り早い方法です。私はサイトから問い合わせて向こうから連絡があったら内覧の予約を入れるという方法を取りました。結局、実際に内覧したのが2件、内覧の予約をしようとしたのに断られたのが2件、内覧の予約を入れた(つもりになっていた)のに内覧できなかったのが1件、連絡が来たけど内覧の予約を入れなかったのが2件でした。

こちらの条件として、場所はざっくりブライトンの東側、(できれば)バスタブ付き、(できれば)電気コンロやIH(induction)ではなくガスコンロで絞り込みました。1年弱しか住まないので家具付き(furnished)が望ましいとも思ったのですが、物件数があまりにも少なかったので(おそらく数%)、絞り込み条件にはしませんでした。結果的にフォームで問い合わせた物件は1件を除いて家具なし(unfurnished)で最終的に契約して入居したのも家具なしのフラットになりました。

順を追って具体的に流れを説明します。最初は、Preston Park周辺がいいかなと思っていたので、ブライトン駅から北北東の区域でよさそうな物件から絞り込んでいきました。一番よさそうな物件に問い合わせを入れたら電話がかかってきたので内覧予約を入れたのですが、予約を入れた数時間後に決まったという電話連絡をもらいました。次も同じ区域の物件に内覧予約を入れ、いいかなと思って条件に合うか不動産会社の担当者から大家に問い合わせてもらいましたが、三日間くらい待たされてから大家は他の人を選んだという連絡をもらって振り出しに戻りました。続いて問い合わせたPreston Parkの西側の物件は学生は対象ではないという連絡が来たので学生ではないと返信したら、数日経ってから返信が来たもののその時点では今住んでいるフラットに入居する方向になっていたのでこちらから断りました。この間に問い合わせた一件は大家と直接やりとりするタイプで、契約をすすめている途中だと連絡をもらいました。その次に問い合わせたのが最終的に入居したフラットで、まだ退去していないフラットに内覧に行くというイギリスあるある経験をしました。今住んでいる場所に決めようと考えていたのですが、翌日にもう一件内覧を予約していた(つもりになっていた)ので、とりあえず前向きの返事をしておいて翌日に内覧してから最終決断するつもりが、雨の中歩いて丘を登って待っていたのにスタッフが現れず・・ということで、この丘の上の一件と、念のため問い合わせを入れていた家具付きの一件を断って、今住んでいるところにしました。内覧時にはまだ前の借り主が住んでいたのですぐには入居できず(11月1日から入居可能という物件で)11月4日に入居するということで契約を進めることになりました。

賃貸契約に際しては、まずこちらからこのような条件で賃貸契約をしたいという趣旨のオファーを電子メールで出します。私が入居した物件は大家が完全に管理を不動産業者に委託しているタイプだったので、不動産会社の担当者宛に出しましたが、大家が管理している物件は大家宛に出すのだと思います。必要な情報としては、物件の間取り(私の場合は“unfurnished one-bedroom flat with a living room, an equipped kitchen and a bathroom”)、物件の所在地、家賃、入居日(賃貸契約の開始日)、契約期間(私の場合は11ヶ月)などです。家賃は不動産業者が示していたものをそのまま書きましたが、家賃の交渉もできると聞きました。不動産会社の担当者からは、物件がfurnishedかunfurnishedか、そして家賃とdepositを先払いするということは必ず書いてと言われたのでそのようにしました。

最終的に入居したところは最初から家賃全額先払いという条件を提示してきました。為替レートも悪くなかったのもあって私にとっては悪くない条件だったので了承しましたが、通常のupfront(先払い家賃)は6ヶ月分です。おそらくupfrontを支払わない場合は保証人を求められるのだと思いますが、最初からそのオプションは提示されなかったので、よくわかりません。入居する意思を不動産業者の担当者に伝えたら、まず物件を押さえておくためのholding depositと呼ばれる着手金を支払います。これは法律で家賃の一週分と決められていて後で支払う(先払い)家賃と敷金から差し引かれます。日本での敷金に相当するtenancy depositは、家賃一月分強で、機能は日本の敷金とほぼ変わらないと思います。

余談ですが、Sussex大学の学生新聞『The Badger』で悪徳不動産業者に苦しめられた中国人留学生の話が記事になっていて、そこでは通常6ヶ月のupfrontが12ヶ月分請求された上に退去時に過大な請求がなされたと書かれていました。 

選んだ物件を管理している不動産業者の担当者からは、現金もカードも駄目で支払いは送金のみといわれて少し困ったことになりました。holding depositの支払い時にちょうど日本で即位礼正殿の儀の祝日があったために期限までに日本からの送金が間に合うかわからず、結局、受入教員に代わりに振り込んでもらいました。結果的には間に合っていたと思われますが、国際送金は初めてだった上に担当者に間に合わなかったらもう一度物件を市場に放出すると言われて不安になってしまいました。

手付金を支払ったら次にreferencingという手続きがあります。これは、不動産業者とは別の会社が、(私の場合は)勤務先の上司と前に借りていた物件の大家に照会して借り主の身元を保証する手続きです。私の場合はVan Mildertという会社が担当しました。まず不動産業者から依頼を受けた照会会社から連絡が来るので、ウェブサイトで必要事項を入力します。具体的には、勤務先や年収、以前に借りていた物件の大家や家賃などの情報です。情報を入力すると、上司や前の大家に問い合わせが行くという仕組みです(機械翻訳だと思いますが、日本語でも問い合わせしてもらえます)。イギリス国内であれば電話をさっとかけて形式的な質問をいくつかして手続き終了という感じなんだと思いますが、日本に問い合わせなければいけないのでそうもいきません。勤務先の上司については問題なかったのですが、もう一方については(日本で借りていた物件が不動産管理会社の所有する物件で大学が借り主だったのもあって)少し苦労しました・・(最終的には職員の方々の尽力で何とかなりましたけど・・どうもありがとうございました!!)

上司と大家への問い合わせ項目は以下の通りです。日本には全くない制度なので、出発前に勤務先の上司と日本で借りている物件の大家に対してイギリスでの不動産賃貸契約に必要な手続きなので協力してほしいと根回ししておくのがいいと思います。私は少し苦労したので。

・勤務先上司への問い合わせ項目

基本給
手当・賞与等
役職
雇用契約の種類(イギリスでは、permanentかtemporaryかzero-hourかなど)
雇用契約の期限
給与変更の可能性
上司の名前と役職

・大家への問い合わせ
物件の所在地
家賃を期限通りにきちんと払っているか。
物件を適切に利用しているか。
借り手を他の大家に推薦できるか。
借り手が誠実で信用できるか。
借り手についてその他コメント

以上の通り大家への問い合わせはほぼYes/Noで答えられる質問です。日本で持ち家に住んでいたりするような場合の手続きについてはよくわかりません。

referencingの手続きが難航している間にも不動産業者とのやりとりは続き、契約書の電子サイン手続きメールが届き、担当者から電話がかかってきて入居日のアポイントをとり、いろいろ目処がついてから11ヶ月分の家賃全額(すでに支払い済みの分を差し引いた残額)を日本から送金しました。その間も、メールで入居日の年が間違っていたり、11ヶ月とオファーを出した契約期間が12ヶ月になっていたり、そのために家賃の請求額が違っていたりと、細かいミスで消耗はしましたが、こちらから伝えればきちんと直してくれたので大きな問題はありませんでした。ただ送金手続のミスで手数料5ポンドが差し引かれてしまい、鍵を受け取る時に追加で請求されましたけど・・(ただ結果的には日本円で手数料を払うより安く済んだんだけど・・)

入居日からのことはまた次回以降に。

1 thought on “在外研究3——フラット探し

  1. ピンバック: 在外研究2——イギリスに出発する前の準備 | Where Is the Harmony, Sweet Harmony?

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